インテリアデザインINTERIOR
専攻の特徴 FEATURE
私たちはデザインに対して常に実験的なアプローチを重視しています。物の存在のあり方、人間の行為に対して概念的なアプローチを行いながら、具体的な素材に触れながらデザインを学んでいきます。この抽象と具象の行き来するプロセスは既成概念にとらわれないデザインを生み出す基礎の力となります。 インテリアデザインは物単体からその周囲の室内空間、さらにその周辺環境まで異なるスケールを対象とします。授業では照明器具、椅子などのプロダクト、住空間や店舗などの空間をその本質に立ち返り、デザインを進めます。「棚」をデザインするのではなく「物が存在する場」をデザインするのです。枠組みを超えて思考し、試行を重ね、人間にとって必要な価値を生み出す能力を養います。 また卒業後、日本だけでなく世界を舞台に活躍できるように、対応カリキュラムの構成、海外からのゲスト教授の招へい、海外プロジェクトに積極的に取り組んでいます。
カリキュラム CURRICULUM
1年次~2年次前期
工芸工業デザイン学科での学習の基盤となる様々な考え方と素材の基礎を学ぶこの期間、インテリア研究室では基礎実習「座るかたち」、「BIRD HOUSE」と基礎演習「製図・レンダリング」の空間製図を行っています。
●基礎実習 座るかたち
各自が環境の中に存在する座る場について研究をします。その研究成果をもとに座るための形をオリジナルのデザインをスケールモデルで製作し、発想から計画へ至るプロセスを学びます。デザインを進める段階で美術館の近代椅子コレクションを用いて素材・構造、造形と発想との関係を学びます。
●基礎実習 BIRD HOUSE
生物の住みかの設計・制作を通し、物の内側と外側の関係、内部空間を様々な視点から捉え、モデルの製作までを行い、インテリアの概念を学習します。
2年次後期~4年次
インテリアデザインは家具から大規模店舗まで幅が非常に広い分野ですが2年半の期間の中で将来にわたりデザイナーとして必要となる、考え方、表現技術の根幹を学習し、高い応用力を身につけます。また作品の方向性を限定することなく、各自の表現をいかに引き出せるかを教員と共に考えていきます。
課題の進め方
3年次チェアーのデザイン
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1.レビュー
レビューと言われる教員との意見交換の場を週に2回ほど持ちます。これは一方通行的なデザインをアイデアをチェックする場ではなく、相互方向のコミュニケーションを通して考えを深めていきます。また、相談はレビューの時間以外でもする事ができます。
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2.実験と検証
デザインは常に紙のスケッチから始めるのではなく、手を動かし、素材を使って実験や検証を通し、トライアンドエラーの過程の中からデザインの種を発見していきます。
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3.実寸での製作
充実した工房設備で、原寸で製作を行います。木工加工、金属加工(溶接含む)、樹脂素材成形・加工、複合素材加工、デジタル加工機、塗装ブースでの最終仕上げなどあらゆる加工技術・方法で実物を製作し、デザインを深く検証します。
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4.プレゼンテーション
デザインの意図を実物とプレゼンテーションの素材を通して発表します。ギャラリーの空間のようなプレゼンテーションルームで動画なども使って専任教員。非常勤講師など複数の教員によって講評をします。
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5.学内での展示
多くの人の目に触れる学内の展示空間で一定期間、作品の発表をします。展示方法も皆で考えて決定し製作します。また、SNSでの外部に向けて発信すると同時に、海外のデザインサイトなどにも積極的に発表を行う事で外部への発信力を高めています。
2年次2ND YEAR
照明の形と効果 (プロダクトデザイン)
照明器具をデザインするプロセスを学びます。インテリアプロダクトの基礎として器具単体ではなく周囲の空間と置かれたものとの関係を作ることを光を通して学びます。
「宿る」原寸大空間のデザイン
~が宿る「場」を原寸を用いてグループワークでデザイン、制作します。身体スケールの把握から始まり、周辺環境との関係も考えながら「場」についての思考をリアルスケールで深めます。
住空間デザイン(プロダクト・空間デザイン)
「壁」をテーマに客観的な視点で調査・研究・デザインをします。空間を構成するためのデザインコンセプトとそれの造形化を段階を踏んだプロセスに基づいて学びます。
3年次3RD YEAR
インテリアエレメントのデザイン(プロダクトデザイン)
「物」は空間の中にどのように存在し、そして人と関わるのであろうか。この課題では「本」を題材に、物とその周辺の空間と人をつなぐ造形を考えます。
ものを見せる空間のデザイン(空間デザイン)
「もの」は置かれる空間によって全く異なる価値をその空間とともに生み出します。そこを訪れ人に対し、いかにして価値を伝える空間を作るかをショップのデザインを通して学びます。
チェアーのデザイン(プロダクトデザイン)
椅子は、それを対象に様々なテーマで多くのデザイナー、建築家が表現を行ってきました。ここでは各自が椅子を通して自分のデザインテーマを発見し、表現することを原寸で実際に座れるプロトタイプを工房で自分の手で製作することを通して学びます。
住環境のデザイン(空間デザイン)
狭小の敷地に建つ住宅をデザインします。外部環境の読み取り、狭小の空間の中でのエレメントと素材に重点を置きながら住環境にかかわる関係性を総合的に提案することを学びます。
4年次4TH YEAR
食空間のデザイン(空間デザイン)
商業空間は商売の場であると同時に都市文化を形成しています。ここでは「食」をテーマに文化をサービスとして提供する空間づくりを企画からディティールのデザインまで現実の仕事のプロセスに近似した形で学びます。
Material Matters:(プロダクトデザイン)(選択)
“新素材”がテーマです。既存の新素材、または自分で新素材を開発し、それを主素材としてプロダクトをデザインします。多くのデザインされた商品が出回っているこの時代に新たに物をデザインする意味とは何でしょうか?オリジナリティーのあるデザイン(プロダクトデザイン、空間デザイン)を生み出すことが、非常に難しくなっています。この課題は新しい素材に着目する事で、新しい機能や価値観を生み出す可能性を探るものです。
人・環境・文化(空間デザイン)(選択)
既存の都市空間・建築物を深く観察し、それに対して操作を行うことで、新しい価値・機能を生み出す場を生成することを学びます。
Future Calling:(プロダクトデザイン)(選択)
生活環境は時代とともに変化しています。それに伴い生活スタイルも変化を続けています。この課題では、今から30年後の生活を想定し、 インテリア・エレメントをデザインします。すぐに商品として流通する可能性のあるものを追求するのではなく、その作品の意味や考え 方が将来のデザインや物づくりを行う上で何か大事な意味を持つといったような提案を期待します。
インテリアデザイン / 教員紹介 FACULTY
進路&卒業生インタビュー
CAREER & INTERVIEWS WITH GRADUATES
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1989年度中退
岩佐十良 Toru Iwasa
株式会社自遊人代表取締役
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1998年度卒業
吉里謙一 Yoshizato Kenichi
株式会社cmyk 空間デザイナー
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2004年度卒業
三澤遥 Haruka MIsawa
株式会社日本デザインセンター/デザイナー
インテリアデザインは幅の広い分野ですが当コースでは様々な分野において将来にわたって活躍できる柔軟な「基盤」を身につける教育を行っており、多くの卒業生が社会で活躍しております。
具体的な職種は店舗、オフィス、住宅などのインテリア空間のデザイン、家具、照明器具、衛生機器、生活雑貨などのプロダクトデザイン、建築設計、環境デザイン、展示・ディスプレイデザインなどです。
また大学院進学、海外留学も希望する学生には積極的にサポートをしております。
■主な就職先(50音順)
(株)アルフレックスジャパン、(株)イッセイミヤケ、(株)イトーキ、(株)伊東豊雄建築設計事務所、(株)イリア、(株)内田洋行、(株)ウッドユウライクカンパニー、(株)LVJグループ株式会社(ルイ・ヴィトンジャパン)、(株)大塚家具株式会社、(株)岡村製作所、(株)オーデリック、(株)オリバー、(株)キギ、(株)小泉産業、(株)コクヨ、(有) 近藤康夫デザイン事務所、(株)サンゲツ、(株)ジーク、(株)GKインダストリアルデザイン、(株)ジンクラモトスタジオ、(株)Simplicity、(有)スキーマ建築計画、(株)スペース、(株)バンダイ、(株)スタジオ80、(株)スペース、(株)積水ハウス、(株)タカラスペースデザイン、(株)竹中工務店、(株)立川ブラインド、(株)田村設計、(株)丹青社、(有) トネリコ、(株)ナショナル設備建材、(株)七彩、(株)日建スペースデザイン、(株)日本設計、(株)日本デザインセンター、(有)nendo、(株)NOSIGNER、(株)乃村工藝社、(株)河淳、(株)博報堂、(株)フィールドフォー・デザインオフィス、(株)平成建設、(株)松田平田設計、(株)メック・デザイン・インターナショナル、(株)モデュレックス、(株)大和ハウス工業、(株)LIXIL、(株)リーフデザインパーク、(株)YKKアーキテクテュラルプロダクツ
■主な進学先
英国王立芸術大学大学院(Royal College of Art)(ロンドン)
プラット・インスティチュート大学院(ニューヨーク)
アールト大学大学院(ヘルシンキ)
ヘリット・リートフェルト・アカデミー(アムステルダム)
デザイン アカデミー アイントフォーヘン(オランダ)
ローザンヌ美術大学・ECAL(スイス)
東京藝術大学大学院