Department of INDUSTRIAL,INTERIOR and CRAFT design武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科

工デのその後INTERVIEWS & COLUMNS

2004年 インテリアデザイン 度卒業

三澤遥

Haruka MIsawa

株式会社日本デザインセンター/デザイナー

ー 現在のお仕事内容について教えてください。
日本デザインセンターの中で、三澤デザイン研究室の室長として、現在6名のスタッフと働いています。展覧会の企画・構成、店舗設計、プロダクト開発、エディトリアル、UIデザインなどなど、あまり範囲を自分から決めずにデザインに関わっています。、研究室の仕事を通して、今までたくさんの方々との出会いがありました。高い技術力でこちらのアイデアに応えてくださる凄腕の職人、どうしたらこんな柔らかな発想が思いつくのだろうと思う才能豊かなクリエイターたち。その交流に刺激をもらえることが、仕事のモチベーションのひとつです。
ー お仕事のこだわりやポリシーなどはありますか。
私には何かに特化した専門性がありません。だからこそ、いままで経験したことのない新たな領域に踏み出すこともあまり厭わず、ニュートラルに入っていくことができます。やったことがないことにチャレンジできることにとてもわくわくします。
ー 工デで学んだことは卒業後にどのように活かされていますか。
丸のこやバンドソーで板を切ったり、樹脂成形をしたり、紙模型を作ったり、見よう見まねでテレビを組み立てて見たり・・・。わたしにとって大学生活は、さまざまな素材に触れまくりの4年間でした。手を動かしてものをつくることの根本的な喜びを教わった場所です。社会人になっても、悩んだらスタッフと手を動かしてみたり実験したりするのですが、それは学生時代の延長です。
ー 卒業生として、工デの良いところ、改善した方が良いと思うところなどを教えてください。
武蔵野美術大学に収蔵されている椅子コレクションの中から一脚を選び、実測製図する授業があります。はじめてR定規を用いて椅子を隅々まで測り、製図用のペンで一枚の白い紙に描きました。ひとつの椅子のつくりを知ることで、狭まった自分の視野がぱっと開けた気がして、アカデミックな授業でしたが最も印象に残っています。「よい図面は構図も美しい」という先生の言葉を今でも思い出します。
ー これから工デを目指す高校生、在校生にメッセージをいただけますか。
手を動かして考えると、アイデアは柔らかくなります。原始的な喜びや普遍的な美しさを、さまざまな素材に触れることで「手」から学べます。「まずはつくってみる。つくらないとわからないことがある。」そんなものづくりの大切な精神が脈々と受け継がれている場所、それが工芸工業デザイン学科である思います。