木工専攻WOODWORK
専攻の特徴 FEATURE
カンナによる手加工から旋盤などの機械加工や漆芸まで、余すことなく木工技術を実践により学習・研究できることが木工専攻の特徴です。また、技術だけではなく、工芸とデザインの観点から、木工を見つめ直し、現代の生活にあったものづくりのノウハウをリサーチ、実習、プレゼンテーションを通して、習得します。
また昨今の社会全体の動きについても着目し、脱プラスチックが進むマーケットの動向や、所有から体験共有へと変化する消費者ニーズなど、近い未来に『木』と『クラフト・デザイン』が社会にとって何を提供できるのか考え、制作し提案できるようにカリキュラムを作成しています。
学生時代に一つの素材について深く探求し、社会に向けての接点を構築することで、卒業後にデザイナーから技術者まで幅広い進路に進むための学習の場であってほしいと思っています。
カリキュラム CURRICULUM
木工専攻では、複数の課題を同時進行で進めていきます。卒業後ほとんどは複数の仕事を同時進行で進めていくことに起因しています。学生のうちから複数課題を同時進行することで、マルチタスクの環境に対応できるようにすることが狙いです。
2年生においては木工技術の習得を目的とした課題内容となっており、機械加工と手加工・塗装について実制作を通して学習します。3年・4年と進むごとにデザインについて意識する課題内容となっています。
3年生からは課題を含めてグループで1つの課題を行うカリキュラムが含まれています。グループワークを通して、個人として、組織としての作品について考え、制作し、4年生になると、自分の作品を実際に市場に投入します。今後、作家・デザイナー・企業等で必要になるスキルであると同時に、自分の作品を客観的に見ることができる機会です。上記内容を通し、木工技術の習得とデザインについて学習していきます。
課題の進め方
3年 クラフトデザインⅣ・Ⅴ
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1.オリエンテーション
課題の条件や目的などの概要説明。課題を進めるにあたり必要な講義及び質疑応答を行い課題への理解を深める。
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2.間取り・アイテム検討
スケッチや平面図、簡易モデルを用いて、空間構成・制作物のアイディアをグループで検討・検証する。
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3.制作
検証を重ねた後に、実制作に移る。アイディアを図面に描き起こし、材料の発注から加工・仕上げまで行う。
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4.設営
検討した間取りで展示ブースを作成する。設置場所の選定から壁の塗装・仕上げ、キャプションの配置等を考え構成する。
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5.講評
作品とスライドショーを用いてプレゼンテーションを行う。コンセプトからアイディア、完成度、プレゼン内容などについて講評を行う。
2年次2ND YEAR
ツールボックス
木工の基本的な機械加工並びに手加工の習得を主な目的とする。機械加工では木材加工の工程と機械の使用方法を、手加工では道具の仕立て方から種類や使い方を学習する。ツールボックス(道具箱)制作を通し、箱物技術の習得と物と物の関係性やスケール感を養う。また実際に使用することで得られる改善点や気づきを次課題につなげる。
食器・カトラリー
加工方法を旋盤・轆轤に限定し、食器・カトラリーの制作を行う。挽物技術の習得と人:物のスケール感覚を本課題では養う。何を入れる食器なのか、どういう人が使うのか、持ち方、使用方法等をよく考え、リサーチする。塗装についても、洋塗装から漆まで幅広く学習し、仕上げ方による表情の差異等を検証する。
チェアー+ファンクション
エンツォ・マーリの椅子を制作し、椅子のプロポーションや、機械の使用方法、加工方法を学習する。さらにその椅子に対して1つ機能(ファンクション)を加える。椅子のサイズ感やプロポーション、座角や背角度等を分析し実測及び制作する。そこに自らで考察した機能を加え、提案を行う。
3年次3RD YEAR
object&shelf
木の美しさを表現するためのオブジェを製作し、そのオブジェを美しくみせるための棚を製作する。
シェルチェアー
背もたれと座面が一体で成形された椅子を製作する。人間工学と成型技術の習得を目的とし、現代の生活に沿った一体型シェルを設計・デザインする。計測器で寸法検証を行い、成形されたシェルのトリミングラインやそれに則した脚部とアームの形状・構造を考え1脚の椅子として完成させる。
wood
日本の国産木材の新たな価値発見を目的とし、新しい日本の木の百科事典を作るようなイメージで多角的なリサーチを進めていく。様々な樹種に焦点をあて、そのコンテクストのリサーチやマテリアルの特性を活かした表現を探究する。成果物のみならずその背景にあるリサーチもアウトプットし、厚みのあるプレゼンテーションの構築を目指す。
4年次4TH YEAR
木工ブランディング
ものがどのように作られ、売られているかを学習する。市場調査から顧客ニーズ・生産性を意識した作品の制作、ECサイト立ち上げから運営、SNS等によるプロモーション、その他パッケージや流通、価格設定等を一貫して行い、それらを考慮した作品(製品)を市場に投入しフィードバックを得る。
プレ卒業制作
卒業制作に向けた試作・研究を行う。卒業制作の最終的なコンセプト・形状を明確にすることを目標とする。
卒業制作
4年間の集大成として、作品を制作する。
制作者インタビュー INTERVIEWS
木工専攻 / 教員紹介 FACULTY
進路&卒業生インタビュー
CAREER & INTERVIEWS WITH GRADUATES
アートブレーン、セガ・インタラクティブ、明光ホームテック、ジャクエツ、ふらここ、大建工業株式会社、アイカ工業、俄株式会社、アスペクト、オリバー、飛騨産業株式会社、株)カンディハウス、株式会社マルニ木工、株式会社プレステージジャパン、Time&Style、プリモ・ジャパン株式会社、カリモク皆栄株式会社、株式会社フォーブス、リグナ株式会社
[プロジェクト授業・課外研修授業]
木工専攻では毎年、国際交流プロジェクトで海外の大学を訪問しワークショップを行なう。簡単な作品制作を行い、日本の技術や文化を紹介する。
2017 フィンランド アールト大学 ラハティデザイン大学
2016 デンマーク コレング アートスクール
2015 リトアニア ヴィリニュス芸術大学
2014 チェコ トーマスバタ大学
2013 スウェーデン イエテボリ大学
2012 フィンランド ラップランド大学