テキスタイル専攻TEXTILES
専攻の特徴 FEATURE
テキスタイルは、私たちの暮らしと密接に関わり、生活する上でなくてはならない存在です。また、日本はテキスタイル分野において、伝統工芸からファッション、インテリアデザインに至るまで、世界規模の高い水準を誇ります。今日、医療や宇宙開発など、テキスタイルの世界は拡張を続け、未来につながる大きな可能性を秘めています。
本コースでは、これらの分野を広く視野に入れながら、繊維造形、色彩やパターンデザインなど、染織の基礎習得に留まらず、技法研究や素材開発など、テキスタイルの既成概念にとらわれず、柔軟な思考による表現を探求しています。さまざまな分野で活躍する高い専門知識を持った講師によるサポートで、独自性とともに表現力を養い、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。
カリキュラム CURRICULUM
繊維からシート状のものまで、今日のテキスタイルの世界は大きな広がりを見せています。時代に合わせて柔軟に対応した課題に取り組む中で、染織の多岐にわたる素材や技法について学び、習得した知識や技術を活かした作品制作を通して、テキスタイルの可能性を探求し、独創性のある表現を模索します。2年次は、テキスタイルの可能性と魅力に触れ、染織の基礎的な知識と表現方法を学びながら、道具や素材への向き合い方、色彩感覚などを養います。3年次では、課題に合わせて各自がテーマを設定し、オリジナリティを感じさせる表現を模索。卒業制作も視野に入れながら、素材や技法の研究も踏まえた上で作品を制作します。4年次では、社会へとの接点を探りながら、テキスタイルコースでの学びの集大成である卒業制作に取り組みます。
課題の進め方
3年次 クラフトデザインⅥ
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1.オリエンテーション
課題の目的や取り組み方、作品制作条件およびスケジュールについて説明。質疑応答などを重ね、課題への理解を深める。
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2.自主制作
制作条件をふまえた上で、作品のテーマや表現技法、素材等を選定するために、様々な視点でリサーチを行う。各自、講師のプランチェックを受け、スケッチや素材研究サンプル制作等を進め、原寸プランを作成する。
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3.中間講評
制作の進捗状況や研究成果のプレゼンテーション。
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4.自主制作
中間講評を経て、プランの変更や改善点に対応。制作スケジュールを意識しながら、作品完成を目指す。
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5.プレゼンテーション/講評
作品と共にプレゼンテーションボードやスライドショーなどを用いて、コンセプトや技法、素材、課題を通しての気づき、総括を述べる。数人の講師による多様な視点での講評およびディスカッションを行う。
2年次2ND YEAR
テキスタイル技法の習得1
多様な分野で用いられているシルクスクリーンプリントの基礎習得と共に、色彩やリピートパターンデザインなどへの理解を深める。同時に、伝統技法である絞り染めと板締め技法を学ぶことで、染色技法の多様な広がりを体感する。
テキスタイル技法の習得2
織る(OFF ROOM)、染める(ろうけつ染・友禅染)、紡ぐ(ハンドスピニング)、縮絨(フェルト)による、幅広いテキスタイル技法への理解を深め、テキスタイルにおける表現の可能性を探る。
テキスタイル技法の習得3
織機の仕組みを学び、布の構造への理解を深める。織の三原組織(平織・斜文織・繻子織)および応用組織を習得し、色彩と素材の持つテクスチャーとの組み合わせから生まれる多様な表現に触れる。
3年次3RD YEAR
自分の「好き」を探求する
自分の本当に好きなもの、気になることは何なのか。それを紐解くためのステップ(ムードボード制作・考察・作品制作・シミュレーション・総括・プレゼンテーション)を通して、自分自身を掘り下げ、表現の可能性を探求する。
2nd Skin 人と布
衣服を第二の皮膚として捉え、人と布の関係を考察。幅広いテキスタイル表現の中から、テーマや制作条件に適した技法を選択し、身にまとう一枚の布を制作する。テキスタイルとして最も身近である「衣服」を意識しながら、一枚の布から広がる表現世界に触れる。
空間を隔てる布
マテリアルとしての布と、道具や家具のように機能を持つ布。それぞれの緩やかな境界線を感じながら、社会におけるテキスタイルの役割を考察し、機能を意識したテキスタイルの制作に取り組む。
機能とテキスタイルの関係を探る
身近なアイテムである「バッグ」の制作を通して、素材・技法・装飾性・機能性のバランスを探り、テキスタイルならではの表現を目指す。
4年次4TH YEAR
再・自分の「好き」を探求する
卒業制作に入る前に、今一度自分に向き合うためのステップ(ムードボード制作・考察・作品制作・シミュレーション・総括・プレゼンテーション)を通して、自分自身を掘り下げ、更なる表現の可能性を探求する。
自由制作
卒業制作を意識しながら、テーマやコンセプトを自由に設定し、これまでの制作を通して習得した技法や表現を用いて作品制作に取り組む。
自由制作
これまでの研究成果を活かして更なる研究に取り組み、卒業制作への足掛かりとなる作品を目指す。
卒業制作
4年間の集大成として、これまでに研究してきた技法や表現を発展させ、テキスタイルならではの自由な発想による独創性溢れる作品の制作に取り組む。
テキスタイル専攻 / 教員紹介 FACULTY
進路&卒業生インタビュー
CAREER & INTERVIEWS WITH GRADUATES
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2003年度卒業
香月裕子 Katsuki Yuko
Katsuki Connection 代表
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2007年度卒業
星佐和子 Hoshi Sawako
テキスタイルデザイナー
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2001年度卒業・2003年度大学院修了
冨沢恭子 Kyoko Tomizawa
柿渋染め作家 / sunui(素縫い)
●就職
イチメン(株)、(株)イッセイ ミヤケ、(株)イケテイ、(株)イビサ、宇仁繊維、(株)エイ・ネット、(株)エービーオー、大塚製靴(株)、オーロラ(株)、(株)オリエンタルランド、CLASKA gallery & shop DO、(株)クリエイティブオフィス・タブコ、(株)ケイ・ウノ、(株)コーエーテクモホールディングス、国学院中学校、(株)澤井織物工場、シロテックス(株)、(株)タイカ、(株)タカラトミー、(株)ティー・ワイ・オー、(株)テクノサイト、(株)チチカカ、(株)東リインテリア企画、トヨタ紡織(株)、(株)中川政七商店、(株)パル、(株)バルス、(有)ファイバーワーク、(株)フィル、富双合成(株)、(株)フェリシモ、マーガレット・ハウエル、(株)丸萬、(株)三峰、(株)ミナ(mina perhonen)、武蔵野美術大学、武蔵野美術大学通信教育課程、(有)ACCENT、(株)bamboo、DNP住空間マテリアル、(株)H.P.FRANCE、Rhcalifornia、spiral market、takahashi hiroko、TBカワシマ(株)
●進学・作家活動
卯辰山工芸工房、東京藝術大学、ノッティンガム・トレント大学、文化服装学院