金工専攻METALWORK
専攻の特徴 FEATURE
金工専攻では主にジュエリー系、プロダクト系、アート系の3つのカテゴリーにおいてデザイン制作を学ぶことができます。
ジュエリー系はコンセプトを重視したコンテンポラリー・ジュエリーのアプローチが中心になります。現代社会おいてジュエリーが持つ意義を深く探り、貴石や貴金属、またそれらを扱う高度な精密加工技術などに囚われず、自由な発想から発展・展開させてデザイン制作を行なっていきます。
プロダクト系はキッチンウェア、テーブルウェア、ステーショナリー、インテリアグッズ(雑貨も含む)などに対応していきます。物質的に十分に満たされている現代社会においてクラフトのモノづくりの観点から新たに提案できるプロダクトとは如何なるモノなのか?またそのモノが持ち得る付加価値とは何なのか?メタルプロダクト・デザインの将来のコンテクストを見据えた試行錯誤をしていきます。
アート系はオブジェを含む装飾品全般ですが、金属素材が持つ魅力とクラフト特有の媒体を用いてどのようなアート表現ができるかを探究していきます。またクラフトの表現とファインアートの表現の違いなども考えていきます。
当専攻では上記のカテゴリーからどれか一つを選択する必要はありません。低学年次の基礎課題を除き、制作するものは全く自由ですのでどのように学ぶかは学生自身が決めることになります。研究室としては、各自が自分の意思で制作するモノ、コンセプト、デザイン、素材、技法、展示など選択・決定し、自信を持って進められるようになることが最重要と考えています。少しでも早く自立できるよう研究室は全力でサポートします。
カリキュラム CURRICULUM
クラフトデザインIからI V(2年次後半〜3年次初め)ではある程度定められたモノや道具の制作を通して金工基礎技法全般、金属素材の加工性質や魅力、そしてデザイン・プロセスの基礎を学びます。クラフトデザインVからI X(3年次中旬から4年次前半)では契機となるテーマのみが与えられ、制作する対象は自由です。この期間はコンセプトメイキングから展示を含むプレゼンテーションに至るまでの一貫したプロセスを徐々に学ぶことになりますが、同時に独自の表現追求、実験的な素材研究、新たな技法研究などを試行錯誤し、それらを作品に大いに反映できるよう個別指導を中心に各自の意識を高めていきます。そしてクラフトデザインXと卒業制作(4年次後半)において4年間の学びの集大成となる作品を制作することになります。
課題の進め方
-
1.オリエンテーション
課題の目的や取り組み方、作品制作条件およびスケジュールについて説明します。質疑応答などを重ね、課題への理解を深めます。
-
2.モデル制作
制作条件をふまえた上で、作品のテーマや表現技法、素材等を選定するために、様々な視点でリサーチを行います。スケッチや素材研究サンプル制作等を進め、実制作に入る前に、コンセプトとデザインを考えます。
-
3.デザインチェック
考えてきたコンセプトやモデルをもとに、先生の意見をもらい、考えを深めていきます。
-
4.実制作
制作の技術指導を受けながら、作品の完成にむけて制作を進めます。
-
5.特別講義など
young talent(若手作家)、professional(プロの作家)、master(大御所の作家)の3つのカテゴリーに分かれた特別講義を不定期で行います。
-
6.講評
デザイン意図や作品の見せ方などを工夫してプレゼンテーションをします。
講評では、他のコースの先生や特別ゲストを招き、色々な角度から意見をもらいます。
2年次2ND YEAR
レリーフの制作
彫金に使う工具を作りながら基本的な使い方を学びます。小銅板の打ち出しによるレリーフの制作を行います。
小箱の制作
銅板を用い規定サイズの小箱を1つ制作し、その中に七宝で装飾した板をはめ込みます。小箱制作の経験を活かし、七宝、エッチング、透かし技法等を用いて、自分でデザインした箱を制作します。正確な仕事を要求される寄せもの制作を経験することにより高度な技法を習得します。
ジュエリー制作の基本
すりだしリング、キャストリング、石留めペンダント、寄せものブローチの制作を通し、貴金属を用いたジュエリーのデザイン・ 制作の基本を学びます。
3年次3RD YEAR
デザイン制作/室内用品
鉄の鍛造技法による室内用品を制作します。前半は鉄素材に慣れるための技法実習、後半は決められた形状・サイズの材料のなかでデザインのプロセスを学びながら制作します。
デザイン制作/Site-specific
特定の場所のため、または特定の場所から着想を得てデザイン制作します。制作する間、場所について歴史等、深く考慮することでコンセプトの深め方を学びます。
デザイン制作/Ritual
プライベートな儀式・習慣(Ritual)に使われるモノを考案しデザイン・制作を行います。各自のモノへのこだわりを重視し、独創的なデザインの展開を学びます。
4年次4TH YEAR
自由制作/“対”
対(Tsui)をテーマに、素材、技法を選択し、独自性のある表現へと導く研究制作を行います。
自由制作/“間”
間(Ma)をテーマに、素材、技法を選択し、独自性のある表現へと導く研究制作を行います。
自由制作
卒業制作を視野に入れた自由課題。
制作者インタビュー INTERVIEWS
金工専攻 / 教員紹介 FACULTY
進路&卒業生インタビュー
CAREER & INTERVIEWS WITH GRADUATES
-
2011年度卒業
今井みのり Imai Minori
鉄作家兼飲食店オーナー
-
2010年度卒業・2012年度大学院修了
坪島悠貴 Tsuboshima Yuki
金属造形作家・3Dモデラー
-
2013年度卒業
野村真理絵 Nomura Marie
株式会社玉川堂
(株)ヴァンドームヤマダ、(株)カプコン、(株)グリーンディスプレイ、(株)ケイ・ウノ、(株)スタージュエリー、(株)西武百貨店、草月文化事業株式会社、(有)ソラ、(株)大丸松坂屋百貨店、(株)玉川堂、(株)TENGA、(株)パズル、(株)日比谷花壇、(株)ミキモト、(株)ミキモト装身具、(株)杢目金屋、株式会社トモアス・イノベーション、株式会社ジェネレーションパス、H.P.FRANCE株式会社、株式会社GTBT、(株)TASAKI、iolom、Tokyo BASE Co.,LTD、株式会社ノムラデュオ、株式会社東京風月堂、株式会社誠勝、株式会社赤坂ユニベイス、株式会社カインズ など