2018年度卒業
ー 卒業制作の作品紹介をお願いします。
卒業制作「WOODEN PLANTS」は植物(木材)で植物を再現し、1つの立体の中でものの捉え方は視点によって異なることを表現することに挑戦した作品です。
木工専攻での制作の中で、木の滑らかに整えられた表情だけでなく、繊維質など制作の過程で見られる表情を扱った作品を制作したいと考えるようになりました。モチーフとして植物を選び、実際に掘るうちに、植物が同じパーツの集合で構成されていることを体験的に気づき、コンセプトに繋がりました。
ー 卒業制作に関することで、印象に強く残っていることはありますか。
当時は人並みに色々考えながら制作をしていたと思いますが、不思議と、今振り返ると、苦労したことや辛かったことではなく、素材のスタディーや、コンセプトの組み上げ等、ひとつひとつ積み重ねていく制作の過程を思い出します。
長い期間をかけて一つの作品を制作し続ける経験は無かったので、研究室内外を問わず、悩んだ時に率直に感想を聞ける存在はありがたかったです。卒業制作を通して、その後の進路や、大切にしていきたい表現を見据える時間が取れ、今に繋がっています。
ー 卒業制作に取り組む上でのポイントや、意識など後輩にむけてメッセージをいただけますか。
卒業制作は専攻の集大成であり、以降も続いて行く制作のうちの一つでもあります。両者の割合は人それぞれで、そのスタンスを決めるところから始まったような気がします。
スタンスが決まると、それまで培ってきたことや、これから先大切にしたい考え方が整理されて、自ずとテーマも絞られていきます。卒制だから何か特別でなければいけない、ということはなく、それぞれにとっての「卒制」を見つけられること、それを発信することが出来ると素敵だと思います。
ー どうもありがとうございました。
2018年度卒業
斎藤萌々子