2019年度卒業
ー 卒業制作の作品紹介をお願いします。
[ Jet Set Project ]は、空気を使った新しい成形システムです。
空気をタンクに貯めて圧縮することによって、形を作るのに十分な力を持つ「風」をおこす。
この風を、樹脂、セラミックスラリー、石膏、ワックス、シリコンゴムなどの液体に連続的に当てて形をつくるプロジェクトです。
大量生産とは基本的に「速いスピード」と「均一な品質」を約束することです。
そんな当たり前の中で、この時代に新たにものづくりをする価値を、考えてみる必要があると思いました。
ー 卒業制作に関することで、印象に強く残っていることはありますか。
卒業制作の時期のことを今もふと思い出すことがあります。なにをやっても自由ということで、たくさん悩み、無数にアイデアが生まれては消えていきました。特に、実際に手を動かして思った通りにはいかなかったことや、あのときにもがきだした荒削りなアイデアは今後も何にも代えがたいです。その試行錯誤した軌跡はとても貴重なもので将来の別のプロジェクトのときに生きてくることがたくさんあります。
その過程を記録しておくことが、とても大切だと思います。それは、どんなに小さな気づきでも良いです。簡単な写真であっても、スケッチであっても文章でも良いと思います。
特に私たちのクラスは卒業制作が終了したと同時に新型コロナウィルスによって。そうでなくても卒業後にあんなに贅沢に時間をもって工房へアクセスできる機会は少なくなると思います。そうなったときに、いつでも何度でも、あの時期の工房へと戻ることができる大きな手がかりになります。
あと研究室のことです。インテリアデザインコースには他にはないオープンな研究室があります。
そこで教授の方々に相談をしたことはもちろんですが、助教授や友達となんでもない話をしている中で生まれてくる展開なんかも、印象に残っていますね。他の学科の人たちにはとても羨ましがられたりもして。
ー 卒業制作に取り組む上でのポイントや、意識など後輩にむけてメッセージをいただけますか。
気張りすぎないことがポイントですかね。卒業制作となると力みすぎて、なかなかアイデアや方向性を決められず、空回りしてしまうこともあるかもしれません。そんなときには、これから続くデザイナーとしての長い人生のひとつの作品だと思ってしまうことも大切かもしれません。
ワクワクする方へ進んでいってください!
ー どうもありがとうございました。
2019年度卒業
香田玲雄