2020年度卒業
ー 卒業制作の作品紹介をお願いします。
卒業制作の二点は、トンボを花器と組み合わせることによって「自然の一場面を花器に移す」をコンセプトに制作しました。まず、『木暗』ではコシボソヤンマをモチーフに、木陰で休んでいる様子をイメージして制作しました。組み合わせた花器は、コシボソヤンマの特徴である腹の一部が細くなっている部分から連想した形になっています。次に、『岸辺』ではミヤマカワトンボをモチーフとし、花器を川の岸辺に見立てトンボが川岸に飛んできた場面をイメージして制作しました。
ー 卒業制作に関することで、印象に強く残っていることはありますか。
卒業制作の終盤で起きたことなのですが、作品をパーツごとに作り終わりそれを組み合わせるだけというところで、元のデザインとは違う組み合わせ方を試してみたところそちらの方が良く感じ、変更することにしたまではよかったのですがそれに伴いデザインの変更による作り直しや自立安定性の問題の解決など改めて考えなければいけない事が出来てしまい、終盤で制作の予定が大きく狂ってしまった事です。デザインや制作のもっと早い段階でもう一度見直して様々な視点から見てみる、試してみることが大切であると感じました。
ー 卒業制作に取り組む上でのポイントや、意識など後輩にむけてメッセージをいただけますか。
私の場合は、課題以外で制作していたものが卒制に繋がった事もあり、卒制以前から自分の好きなものの制作や、制作まではいかなくとも作ってみたいデザインやイメージを描いておくと、卒制のテーマを決めるときの参考になると思います。また、制作途中で一度止まってみる、実際に出来てきた物を別の視点から見てみることで、デザインの段階では分からなかった構造上難しい部分や、より良くすることの出来る点に気づくことができるかと思います。
ー どうもありがとうございました。
2020年度卒業
柏木健志